また、ちょっと遅れた アップになってしまったけれど、最近は仕事も暇で、書きたい事もけっこうたく さんある。特に深圸のことは色々沢山あるけれど、近い内に再訪の可能性が高 く、細いネタを書いているときりがないので、今回は一番ひっかかっている物価 のお話。
 とりあえず、深圸は驚く程の物価の安さだった。大都会にもかかわらず、日本 の物価に近いと思われる香港の10~20%の貨幣価値。高級レストランで夕食を思 いきり飲み食いしても、ひとりあたま1500円くらいですむ。朝食の飲茶なら腹一 杯食べても300円しない。ビールの大瓶が90円、肉まん一個15円。野菜の炒めも の大盛りひと皿30円と、とにかく安い。タクシーで小一時間走っても500円もし ない。もちろん消費税なんて不粋なものは無い。普段の生活にかかるお金はとっ ても少なくてすむようだ。
 ところが、今回出店した婦人靴店ではオープンした日に日本製の靴が2万円の 値がついていても売れてしまった。日本で買えば7000円くらいで買える靴であ る。すぐ隣のスーパーマーケットでは、普段使いの鉄観音が180g100円で
売っているのに高級お茶屋さんには50gで8000円の鉄観 音がある。瓶の中身が半分くらいになっていたので、きっと売れているのだろ う。街中には数少ないが、喫茶店(コーヒーショップ)もある。今回は入らなかっ たがコーヒーが一杯400円程するそうだ、日本では当たり前の値段だけれど、深 圸では一日の所得の半分くらいの金額に相当す る。しかも、不味いらしい。でも人は入っていて若者が多いというから不思議な 話。
 詳しい人に話を聞くと、深圸の人たちは生活費が安いので、ステータスと感じ るものにはお金を出すらしい。それが日本製の靴だったり、自国のお茶だったり する。また、生活としてのステータスで喫茶店に入るようだ。手の届くぐらいの 贅沢として考えれば、納得出来る話ではある。所得も無いのに女子高生の分際で ヴィトンをステータスのように持っている何処ぞの国とはわけがちがうのだ。ち なみにパリでもヴィトンを持っているのは上品なマダムしかいない。

写真は高級お茶屋さんで上記の高価な鉄観音をいれ てもらっているところ。もちろん試飲だけ。

2003年11月17日「所得と 生活」