前回の「月下美人」は 夜中に開花して朝には萎れてしまう。まさに美人薄命というべきか、名前の由来 はここから来ているのかも知れない。一方今回の花、見た目の姿形はそっくりで ある。サボテン系みたいなので、葉っぱというべきかどうかわからないが、これ も形は良く似ている。ただ、毒々しいともいえる花の色をのぞいては....。
 そして、開花時間が全く違う。結構長い間咲いていて、夜中に花を閉じる事も 無い。昼間も堂々と開花したまま。夜中に人知れず開花して誰にも気がつかれ ず、ひっそりと朝には一生を終わる彼女にくらべると、どうも垢抜けしないと云 うか、厚顔無恥というか、印象が悪い。
 表現が適切では無いと思うけれど、かたや高原のサナトリュームでひっそりと 一生を終えてしまう深窓の令嬢(どうも言い回しが古いなぁ、高原のサナト リュームなんてまだあるのかな)に対して、街中を人の迷惑省みず、道幅一杯に 並んで歩く、自分ではいけてると勝手に信じ込んでいるが、はた目に見ると異様 な顔グロ(やつらもまだおるのかねー)ねーちゃん。の差を感じてしまう。すんません。何度も云う様ですが表現が適切では無いかも知れません。
 先日、前の日まで顔グロは、「どや、わたしいけてるやろ」てなかんじで、咲 いていたのですが、突然「うち、なんか、もうしんどい」状態でお亡くなりに なった夜、くだんの令嬢がひっそりと、「ああ、やっとあの方がいなくなったわ」みたいな感じで開いた。「貴女達と一緒にされたくありません」的行動を見 てしまったのだ。
 「同じ時期だから、紅白で咲いてくれないかなー」と家人はいうのですが、 きっと令嬢のプライドが許さんのでは無いか、と私は思っている。あっ、前回は 異様だとか云いながら、いつのまにか、令嬢の肩を持っているではないか。
 でも、もし来年、彼女がプライドを捨てて紅白で咲いたら、「よしよし、君も 成長したね」などと呟きながら、ツーショットをとっているかもしれない。
2003年10月21日「月下美人Part 2 紅 白」